養育費の相場 〜離婚手続と養育費請求の考え方〜

海外の芸能人、有名人などが離婚した際に、億単位のものすごい額が養育費として請求されているニュースを見かけます。

そのようなニュースを見て、当事務所に相談に来られる方が時々いらっしゃいます。
日本の法律では、なかなか考えにくい結果だといえます。

そもそも、養育費とは何でしょうか。
これは文字通り、子供の養育に掛かる費用です。

元々、赤の他人だった男女が、当事者の合意によって、結婚をします。
そして、折り合いがつかなくなったときに、離婚することで、また元の通り赤の他人に戻ります。

しかし、結婚しているあいだに生まれた子についてはどうなるのでしょうか。

例えば、子供が生後半年で離婚して、親権を母親として指定され、母親の元で養育された場合。

子供から見たら、父親の顔も存在も知らずに育ったとしても、あくまでも法律上、親子関係は存続します。

つまり、父親は、親として当然に子供を養育しなければならない法律上の義務があります。これが養育費です。

あくまでも子供の養育に必要な費用であって、母親の生活を支えるためのものではありません。この点を理解していないと、冒頭のような海外の例を以て勘違いしてしまう可能性があります。


では、養育費とは具体的にいくらでしょうか。
養育費の額を決定するに当たって、考え方が二つあります。

1.当事者の合意
養育費は、原則としてあくまでも当事者の合意で定められます。
上記のような例で、父親が毎月100万円支払う、ということに合意した場合、それが養育費となります。

また、支払わない、ということについても、それで母親が納得すれば、それが合意となります。

2.調停
養育費の額について、父母の間で合意が整わない(例えば、母が毎月6万円払って欲しい、と請求しても、父親が3万までしか払うつもりがない、等)の場合、家庭裁判所に申立をすることで、調停委員を交えて話し合うことになります。


おおむね、この二つとなります。

では、具体的にはいくら請求するのが妥当か、という問題があります。
当事者が好き勝手に請求し合って、それが合理的であれば問題ないのですが、判断基準がないと、請求することも、請求に応じるのも難しい、という点があります。

そこで、東京家庭裁判所と大阪家庭裁判所が合同で、養育費の目安となる早見表を作成しました。これには、子供の年齢および子供の数、夫と妻の年収および職業の観点から、だいたいいくらぐらいが妥当か、という一つの目安としての早見表です。


この早見表は、少し大きめの専門書がおいてある書店で探せば手にはいるかもしれません。
もちろん、当事務所にはその早見表を置いてあります。


もちろん、この早見表に記載された額に従うかどうかは、当事者の自由です。ただ、養育費の額に固執して、離婚協議や離婚調停が長引くこと自体が、子供のためにはよくありませんので、子供のために早期解決すべく、お互いに歩み寄るのも大切です。