法律相談Q&A 金銭消費貸借契約書・金銭トラブル・内容証明郵便・敷金トラブル・消滅時効等

金銭消費貸借契約書

1.友達に頼まれてお金を50万円貸すことになりました。契約書を作っておきたいのですが必ず定めておかなければならないものはなんですか?
→お金の貸し借りを金銭消費貸借契約といいます。金銭消費貸借契約をする場合、必ず定めておかなければならない事項があります。
・返済の約束
・お金を実際に渡すこと
なお、お金を渡したときに初めて金銭消費貸借が成立します。お金を貸す約束だけでは金銭消費貸借契約にはなりません。

2.他に必ず記載しておかなければならない事項はなんですか?
→以下の通りです。
・契約の日付
・貸した金額
・貸主の住所氏名
・借主の住所氏名

3.必ずとは言わなくても、定めておいたほうがいい事項はなんですか?
→以下の通りです。
・返済する日付
・返済の方法(一括払いか分割払いか及び、振込か、実際に手渡しか)
・分割払いの場合、毎月何日に支払うか
・利息
・遅延損害金
・連帯保証人

4.行政書士に契約書の作成を依頼する場合はいくら掛かりますか?
→通常の金銭消費貸借契約であれば、契約書に記載される金額の5%(最低3万円)(税別)です。

5.契約書を作りました。実際にお金を渡す際、どのような点に注意したらいいのですか?
→お金を渡した場合、必ず領収証をもらって下さい。もらえない場合には、銀行振込などで、できれはATMではなく窓口で相手の口座名が入った振込伝票控えを取っておいて下さい。

6.契約書を作っておくメリットはなんですか?
→もし、後日返してもらえなかったときに裁判を起こす場合、有力な証拠になります。裁判では、お金を実際に渡したこと、返してもらう約束があること、この2点が証明出来なければ敗訴しますが、契約書と領収証があれば証明できます。

7.契約書を作っても、返してももらえない場合に裁判を起こすのが面倒です。
→裁判を起こし、勝訴すれば、その判決を使って、相手の財産に強制執行を書けることが出来ます。強制執行とは、裁判所が相手の財産を差し押さえて、競売に掛け、代金から支払ってもらう制度です。強制執行は、判決の他、特殊な契約書でもできます。

8.特殊な契約書とはどのようなものですか?
→公証役場という役場で、「執行証書」という様式の公正証書による契約書にすれば、裁判を起こさなくても直ちに強制執行を掛けることができます。

9.「執行証書」を作るにはどうしたらいいですか?
→「執行証書」は公証人に作成してもらう、いわゆる公正証書の一つで、直ちに強制執行を掛けることができるものをいいます。作成手順は以下の通りです。
・債権者と債務者両方が、公証役場に行きます。
・公証役場はどこでも結構です。こちらで調べることができます。 
・両方が運転免許証と認印、もしくは印鑑証明書と実印が必要です。
 http://www.koshonin.gr.jp/index2.html
・契約書の原案を公証人に見せて、執行証書を作ってもらいます。
・債務者は、「いざと言うときは直ちに強制執行を受けても構いません」と宣言し、これが執行証書に記載されます。これを執行受諾文言と言います。
・手数料は、債権額50万円の場合、100万円以下の公正証書作成代として5,000円です。

金銭トラブル


10.友人に50万円を貸したのですが、返してもらえません。何度も催促しているのですが、埒が明きません。どうしたらいいのですか?なお、お金の貸し借りに関して、契約書は作成しておらず、友人から領収証ももらっていません。
→催促しているのに埒が明かないのであれば、単純に返す気がないか、あなたから催促されている間は返さなくても大丈夫だろうと侮っている可能性があります。
司法書士から、内容証明郵便による請求をすることで、返さなくてはならないという気にさせる可能性があります。

11.内容証明郵便を出しましたが、逆に「お金など借りていない。」と開き直っています。どうしたらいいですか?
→もはや交渉では効果がないので、どうしても返してもらいたいのであれば訴訟を起こすしかないでしょう。今回の例では、少額訴訟手続が使えます。

12.訴えたいのですが、契約書がないので、証拠がありません。あきらめるしかないのですか?
→まず、お金の貸し借り(金銭消費貸借契約といいます)について、証明しなければならないことは二つあります。一つは、お金を実際に相手に渡したことです。金銭消費貸借契約はお金を実際に渡したときに成立するので、必ず証明しなければなりません。もう一つは、お金を返してもらう約束です。これが証明できなければ「もらった」と言われたときに反論できません。
お金を渡したことを直接証明することはできませんが、自分の銀行口座から50万円もの残高が減っていれば、その通帳を見せることで、50万円渡したことを間接的に証明できます。
また、返してもらう約束ですが、もし自分の収入や資産状況から、友人に50万円もあげてしまうほどのゆとりはあるわけではないから、この50万円はあげたのではなく貸したのだ、という主張もできます。

契約書はもちろん大切ですが、契約書が無い場合でもあきらめないで司法書士に相談することで解決するかもしれません。


敷金トラブル


13.入居時に、家賃9万円、敷金3ヶ月分で27万円を差し入れ入居しました。2年経って賃貸借契約の期間が満了したので退去したのですが、敷金を返してもらえません。請求したところ、「部屋をクリーニングして、壁紙をかえたら29万円かかった。」と言われ、逆に2万円請求されました。払わなければならないのですか?なお、私はタバコを吸わないし、部屋はなるべく綺麗につかったつもりです。
→敷金は、入居者が退去したあとに、部屋をもとの状態に戻すために使い残ったら返還しなければなりません。元の状態、と言っても、普通に済んでいる分には部屋は摩耗します。この分は賃料に含まれるため、特別に汚したりしたという事情がなければ、敷金から差し引くことはできません。まして、壁紙を貼り替えるのは部屋を綺麗に見せて次の借主を探すための改良ですので、これは当然に大家が負担すべきものです。27万円全額の返還を請求できます。


消滅時効

14.4年ほど前に事業をしていたときに、払い忘れていた売掛金100万円の請求をされました。払わなければならないのですか?
→売掛金は、2年で時効により消滅してしまいます。時効を主張すれば払わなくていいです。

15.時効とは何ですか?殺人を犯したとき15年逃げれば無罪になる、とは聞いたことがありますが…。
→殺人の場合、犯人を逮捕して罰することが出来る期間が15年です。刑事事件だけではなく、民事でも時効はあります。一定期間が経った場合、権利が消滅したり発生したりすることが時効です。理由として、一定期間もの間同じ状態であれば、その状態に合わせます。だから、売掛金の場合、2年間一度も請求されなかった場合、その売掛金が行使されない状態に合わせ、売掛金が時効により消滅してしまいます。

16.では、売掛金の場合、2年が経ったら自動的に時効により消滅するのですか?
→時効は、相手に直接、時効の旨を主張しなければ効果が発生しません。主張する場合は、口で言っても、後で証拠に残らないので、内容証明郵便により主張することがのぞましいでしょう。

17.まだ内容証明を送っていないのですが、相手から、「時効なのは分かっているが、100円でもいいから払ってくれ」と言われました。しつこくつきまとわれるのは嫌なので、100円くらいなら払ってしまおうと思うのですが?
→絶対に払わないで下さい。時効が完成しても、時効によって得られる利益を放棄することができます。そして、債権を一部でも弁済することは、この放棄にあたります。100円払ってしまったら、時効が完成したことが無駄になり、残りの99万9,900円も支払わなければならなくなります。