相続手続Q&A 相続人・相続調査・相続放棄・遺産分割協議・特別代理人等

相続に関する一般的な内容

1.相続とは何ですか?
→亡くなった方(被相続人といいます)の権利義務すべてを相続人が承継します。これを包括承継と呼びます。具体的には、被相続人の財産も負債も全て無制限に相続人が受け継ぎます。

2.相続人は誰になるのですか?
→被相続人から見て、
・第一順位に子供が相続人です。
・子供が一人もいなければ、第二順位が被相続人の親です。
・親も子供も一人もいなければ、第三順位が被相続人の兄弟です。
なお、常に妻か夫(これを配偶者といいます)は第1順位の相続人になります。

3.相続人をきちんと特定するためにはどうしたらいいですか?
→相続人をきちんと特定するためには相続人の調査をすることが必要です。この場合、被相続人の戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍(以下戸籍等)を、死亡から出生まで全て遡って取得しなければなりません。なぜなら、もし認知された隠し子がいた場合、戸籍に記載されているからです。この場合の隠し子は相続人になります(認知されていなければ隠し子がいたとしても相続人にはなりません)。このようにして戸籍を集めることで相続人を特定できます。

4.戸籍を全て遡って取る、とはどういうことですか?
→戸籍は、本籍地と戸籍筆頭者で特定することが出来ます。しかし、戸籍は住所のように変動します。本籍地を動かしたり(転籍)、親の戸籍から独立したり(分籍)、婚姻や離婚でも場合によっては戸籍が変動します。また、役所が戸籍を改製する(作り直すこと)こともあります。この場合、戸籍の記載を間違いなく正確に読み取らなければなりません。しかも、同じ役所内で取ることもできれば、例えば北海道、沖縄、埼玉、大阪、四国…などと全国を転々している可能性もあります。この場合は移転先の全ての役所に戸籍の請求をしなければなりません。したがって、一般に被相続人が高年齢だった場合、戸籍を全て遡って取るには大変な手間と高度な知識が必要です。

5.相続人をきちんと特定しないとどうなるのですか?
→相続人は当然に相続権が保証されています。もし、一部の相続人を除いて遺産分割協議をしても、その協議は無効になります。また、除かれた相続人から損害賠償請求をされる可能性もあります。なお、不動産の相続登記手続は、相続人を特定していないと手続ができません。

6.相続人を特定するのは難しそうです。専門家にお願いしたいのですが、誰に頼めばいいですか?また、費用はいくらかかりますか?
→司法書士または行政書士に依頼することができます。なお、依頼された場合、必要な戸を収集して、「相続関係説明図」と言う、家系図を作成いたします。費用は、50,000円(税別)+実費となります。実費は切手代、郵便小為替などで、2,000円〜7,000円程度となります。

7.なぜ司法書士や行政書士は他の人の戸籍を収集することができるのですか?
→、司法書士や行政書士は、職務上の権限で、他の人の戸籍を取得することができます。ただし、無制限に他人の戸籍を取ることができるとなると人権侵害になりますので、必ず職務上必要な場合に限られていること、そして、取得するときは、日本司法書士会連合会または日本行政書士会連合会が発行する特殊な申請書を使うことという要件を満たすことで戸籍を収集することができます。

相続人、相続分等

8.戸籍を収集することで、相続人を特定することができました。相続人それぞれの相続分はどれくらいなのですか?
→以下の通りです。
・基本的に同順位の人が複数いる場合は、単純に頭割りです。ただし配偶者は2分の1です。
例)妻と子供二人→妻が4分の2、子供がそれぞれ4分の1
・第二順位の人と第一順位の配偶者が相続人の場合は、配偶者が3分の2となります。
例)妻と、両親→妻が6分の4、両親がそれぞれ6分の1
・第三順位の人と第一順位の配偶者が相続人の場合は、配偶者が4分の3となります。
例)妻と、弟二人→妻が8分の6、弟がそれぞれ8分の1

9.第一順位の子供が亡くなっている場合は第二順位になるのですか?
→子供がいなくても、子供の子供(被相続人から見て孫)がいる場合、亡くなった子供に代わって孫が相続人となります。これを代襲相続となります。したがって、子供がもともといない場合、代襲相続人がいない場合に初めて第二順位の人が相続人になります。

10.今の時点で自分が亡くなったとしたら、息子が相続人になります。この息子は私に対して散々暴力をふるったりするので、虐待に苦しんできました。この息子に財産を継がせたくないのですが。
→もし自分が亡くなったときに相続人になるであろう人を推定相続人と言います。このような場合、推定相続人を「廃除(はいじょ)」という手続を家庭裁判所に対して申請をすることができます。廃除されると、戸籍にその旨が記載され、相続権が剥奪されます。なお、廃除されると、代襲相続がおこります。

遺産分割協議

11.定められた相続分通りに相続しなければならないのですか?
→定められた相続分通りに相続することを「法定相続」といいます。必ずしも「法定相続」でなくても構いません。「遺産分割協議」をすることで、「法定相続」とは違う配分で相続をすることも出来ます。

12.「遺産分割協議」ができない場合はありますか?
→まず、遺言があるかどうかを調べます。遺言があり、しかも遺言の中身を実行(これを遺言執行と言います)する「遺言執行者」と呼ばれる人が選任されている場合は、遺言執行の前に遺産分割協議はできません。

13.遺産分割協議の準備はどのようにしたらいいのですか?
→被相続人の全ての財産を明らかにします。土地、建物は、市区町村役場で固定資産評価証明書を発行してもらうことが出来ます。もし土地、建物がたくさんある場合には、名寄せを発行してもらうと一覧表で出ます。他、株券、銀行預金、保険、現金、車など、全てを明らかにします。また、負債も調査して明らかにします。

14.遺産分割協議をするにはどうしたらいいのですか?
→遺産分割協議は、相続人全員が参加しなければ無効となります。あらかじめ相続人の特定をした上で相続人全員で行って下さい。会ったことのない隠し子がいたとしても、その人を除いて遺産分割協議をしても無効になります。また、遺産分割協議がまとまったら、遺産分割協議書を作成して、全員が実印で押印し、印鑑証明書を添付して下さい。

15.遺産分割協議書は必ず作らなければならないのですか?
→遺産分割協議書は、遺産を取得する際に必要となることがあります。例えば、相続人が3人いる場合でも、協議により単独で不動産を取得する場合の登記手続には、必要な書類となります。また、後日紛争になる可能性もありので、正確な記載の遺産分割協議書を作成しておくことが大切です。

16.遺産分割協議書に書かなければならない事項はなんですか?
→どうしても書かなければならないことは以下の通りです。
・被相続人の住所・氏名及び相続の開始日
・相続人全員の住所氏名
・遺産の表示
・分割協議の内容(例えば、土地は誰々が相続する、など)
・遺産分割協議の日付
協議書には全員の署名をして、実印で押印し、印鑑証明書も添付します。
なお、上記の事項をきちんと正確に記載しておかないと、あとで紛争の元となります。

17.遺産分割協議書の作成を依頼した場合、いくらかかりますか?
→遺産分割のための事前準備及び分割協議書作成の報酬として、遺産分割協議書に記載された金額の0.5%(ただし、最低10万円から)(税別)となります。
そのほか、実費がかかります。実費として、不動産登記簿謄本(1通1,000円)、固定資産税評価証明書(1通150円〜300円程度)及び、各法務局や市区町村役場への交通費などがかかります。

特別代理人

18.遺産分割協議をする際の注意点はありますか?
→未成年者は遺産分割協議に参加することができません。親権者が代理で協議に参加することになります。しかし、未成年者とその親権者両方が相続人の場合は、その親権者は代理人にはなれません。この場合、「特別代理人」を選任することになります。

19.「特別代理人」とは何ですか?
→この場合、親権者が、未成年者の代理人になった場合、その親権者は自分の為の立場と、未成年者の為の立場で遺産分割協議に参加することになるため、利益が相反します。したがって、遺産分割協議をするために未成年者のための特別代理人を選任します。

20.「特別代理人」はどのような人がなるのですか?
→未成年者の立場から、適切な人が選ばれます。実際は、未成年者の伯父、伯母、祖父、祖母などが選ばれているケースが多いようです。

21.「特別代理人」を選任する為にはどうしたらいいのですか?
→未成年者の住所の管轄家庭裁判所に特別代理人選任審判を申し立てます。

22.申立に必要な書類や提出すべきものを教えて下さい。
→特別代理人選任申立書親権者と子の戸籍、特別代理人候補者の戸籍及び住民票、利益相反となる行為に関連する書類(この場合は、遺産分割協議書の原案など)の他に、収入印紙800円、80円切手5枚を提出します。

23.「特別代理人」選任手続を司法書士に依頼した場合はいくらかかりますか?
→司法書士に依頼した場合、申立書作成で5万円(税別)+実費です。
実費は、収入印紙800円、80円切手5枚の他、家庭裁判所までの交通費が掛かります。
なお、添付する戸籍や住民票を司法書士が取り寄せる場合は、1通2,000円の手数料及び実費がかかります。実費は、多くの場合、戸籍は1通450円、住民票は200円です。

24.父親が亡くなって、相続人は、妻と、未成年の子が二人(姉・弟)です。この場合、弟だけに特別代理人を選任すればいいのですか?
→未成年者一人につき、特別代理人一人が必要です。したがって、姉と弟それぞれに特別代理人選任申立をして下さい。

遺産分割調停

25.相続人間で、遺産分割協議がどうしてもまとまりません。どうしたらいいのですか?
→この場合、家庭裁判所に遺産分割を求める調停を申し立てることが出来ます。家庭裁判所の管轄は、申し立てる相手方の住所地の家庭裁判所か、当事者が合意で定める家庭裁判所になります。

26.遺産分割調停の申立に必要な書類は何ですか?
→下記のとおりです。
・相続人全員の戸籍謄本、住民票を各1通
・被相続人の戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍(死亡から出生まで遡った物すべて)
・相続関係説明図、遺産目録、不動産登記簿謄本、固定資産評価証明書等を各1通
・もしあれば、遺言書のコピー
・手数料として、収入印紙1,200円分及び80円切手20枚

相続放棄

27.父が、事業に失敗して莫大な借金を抱えたまま亡くなりました。相続人は借金を返さなければならないのですか?
→借金も相続の対象となります。したがって、そのままでは借金を負うことになります。しかし、相続を放棄することで、借金を免れることが出来ます。

28.相続放棄をするとどうなるのですか?
→はじめから相続人でなかったとみなされます。したがって、一切の財産をもらうことも、負債を負うことも出来ません。もちろん、遺産分割協議に参加することもできません。

29.相続放棄をするための期間はありますか?
→相続放棄は、自分に相続が開始したこと、自分が相続人であることを知ってから3ヶ月以内でなければできません。

30.私は、小さい頃両親が離婚して母に引き取られたため、父のことは全然知りません。風の噂で、父が5年前に亡くなったことを去年知りました。ある日父の債権者を名乗る人から、生前に1億円を貸したままだと言われました。相続が開始したことを去年知ったので3ヶ月経ってしまっていますが相続放棄はできますか?
→「自分が相続人であることを知る」とは、具体的に相続財産(または負債)があることを知ってからということになります。したがって、父が亡くなったことは知っていても、1億もの負債を相続したことは知りませんでしたから、知ったときから3ヶ月内であれば相続放棄ができます。

31.この場合、相続放棄をすることで注意すべき点はありますか?
→あなたが相続放棄をすると、はじめから相続人でなかったこととみなされます。したがって、場合によっては次順位の相続人が発生する恐れがあります。したがって、自分だけが相続放棄するのではなく、他の相続人も一緒に相続放棄をすることをおすすめします。

32.相続放棄はどうしたら出来るのですか?
→家庭裁判所に相続放棄の申述をします。具体的には、被相続人の最後の住所を管轄する家庭裁判所に、相続放棄申述書を提出します。

33.相続放棄申述に必要な書類、その他に提出するものはなんですか?
→収入印紙800円、80円切手を5枚、被相続人の戸籍謄本及び住民票、申述をする相続人の戸籍謄本及び住民票を提出します。また、相続が開始してから3ヶ月以降に相続放棄をする場合、「死亡の通知を受けた日」を証する資料(債権者からの通知書など)も提出します。

34.相続放棄申述を専門家に依頼する場合、誰に頼めますか?また費用はいくらかかりますか?
→司法書士が相続放棄申述書の作成、提出をいたします。費用は、5万円(税別)+実費となります。実費は、印紙代、切手代及び、家庭裁判所までの交通費となります。

35.相続放棄をしなければどうなるのですか?
→3ヶ月の期間が満了しますと、相続放棄ができなくなります。これを相続を承認する、といいます。

36.3ヶ月の期間内でも相続を承認することはできますか?
→原則として、相続放棄をしなければ相続を承認したことになります(これを単純承認といいます)。また、3ヶ月の期間内に相続財産を受け継いだり、勝手に売却してしまったり、などということをすると、承認したとみなされて相続放棄ができなくなります。また、被相続人の負っていた負債に対して、一円でも返済してしまったら、この場合も相続放棄できなくなります。なぜなら、相続人としての権利を行使または義務の履行をしたからです。

37.相続放棄の申述が終わりました。その後に、被相続人の債権者から督促をうけたのですが?
→相続放棄をしている以上、はじめから相続人でなかったこととみなされますから、当然支払義務がありません。この場合、相続放棄をしたことを証明するために、相続放棄申述受理証明書を家庭裁判所に発行してもらいます。発行するためには、申述した人が、認印と相続放棄の申述をしたときに発行される相続放棄申述受理通知書をもって家庭裁判所に発行の申請をして下さい。この場合、手数料として150円の収入印紙を収めます。

特別受益

38.身内から、「相続を放棄しろ」と言われました。応じなければならないのですか?
→相続人である以上、相続権は保証されています。したがって、相続放棄をしなければならないということはありません。また、相続権を主張するな、という事を、「相続放棄しろ」と表現する人もいますが、あくまでも相続放棄の申述とは別の問題です。

39.土地と建物を、長男に相続させるため、次男の私は「相続を放棄しろ」と言われます。この場合の放棄は、相続放棄の申述とは違うのですか?
→確かに、相続放棄の申述をすれば、長男が単独で相続出来ますが、一般的に相続の放棄といえば、相続権を主張しないことを言います。具体的には、「特別受益証明書」とか、「相続分なきことの証明書」という書類に実印で押印の上、印鑑証明書を添付することを要されているのです。

40.「特別受益証明書」「相続分なきことの証明書」とは何ですか?
→被相続人の生前に、あらかじめ自分の相続分を超えるだけの贈与を受けている場合であっても、決められたとおりに相続分を主張すると不公平になります。したがって、この場合贈与を受けていることを「特別受益」といいます。この場合、特別受益があることで相続分はもうないことを証明するために、「特別受益証明書」「相続分なきことの証明書」を作成します。この場合、実印で押印し、印鑑証明書を添付します。

41.土地と建物につき、取り分を主張するつもりはないのですが、別に生前に贈与を受けたわけでもないのに「特別受益証明書」「相続分なきことの証明書」を作成し、実印を押印するするのは抵抗感があります。
→それでは、遺産分割協議をして、自分自身の取り分を定めない旨の協議書を作成して下さい。これがあれば、土地や建物を長男名義で単独で登記することができます。

42.「特別受益証明書」「相続分なきことの証明書」のデメリットはなんですか?
→司法書士の観点から見ますと、この証明書の効力は絶対的ですので、発行するのは危険です。後日、万一にも莫大な遺産が発覚した場合、一切の権利主張ができなくなります。なるべくならば、遺産分割協議で対応することをおすすめします。遺産分割協議なら、新たに見つかった遺産につき再度分割協議ができるからです。

相続登記

43.相続による、不動産の名義を変更したいのですがどうしたらいいですか?
→不動産を管轄する法務局へ相続による所有権移転登記申請書を提出します。

44.登記申請に必要な書類は何ですか?
→法定相続の場合とそれ以外の場合で多少変わります。
・法定相続の場合…申請書の写し、新たに登記名義人になる人の住民票、被相続人の死亡から出生までの全ての戸籍、相続人の戸籍、相続関係説明図、固定資産税評価証明書
・法定相続以外の場合…法定相続の場合の書類に、遺産分割協議書及び相続人全員の印鑑証明書、遺言書、場合によっては特別代理人選任審判書などがあります。

45.相続による所有権移転登記に掛かる費用はいくらですか?
→固定資産税評価証明書に記載されている金額の0.1%が「登録免許税」として課税されます。収入印紙を貼付して納付します。その他、登記が完了した後、完了後の登記簿謄本を取得する場合、不動産一つにつき1通1,000円かかります。

46.所有権移転登記を専門家に頼む場合、誰に頼めますか?また費用はいくらかかりますか?
→登記手続を依頼できるのは司法書士です。司法書士報酬として、相続による所有権移転登記申請手続として50,000円(税別)かかります。
また、実費として、法務局までの交通費、その他切手代がかかります。

 
 
 

白老町,苫小牧市,登別市,室蘭市の相続,遺言手続に関するご相談,問い合わせは,クリアー行政司法書士事務所へどうぞ。

お問い合わせは,
電話 0120−979−716
メール iiyama@mbe.nifty.comまたは,お問い合わせフォームまでお願いします。

電話またはメールにて,「事務所のホームページを見ました」とお伝えいただけましたら,相談料1時間5,250円が無料になります。

相談は,面談でのみ行っております。
電話またはメールにて,来所の予約をお願いいたします。
また,64歳以上の方で身体が不自由な方については,出張も可能です。お気軽にお問い合わせ下さい。