11月・12月臨時休業のお知らせ
当事務所は、都合により、11月4日〜11月7日及び12月毎週月曜の営業日を臨時休業いたします。
ご迷惑をおかけいたしますことをお詫び申し上げます。
パート・アルバイト募集のお知らせ
当事務所のスタッフとしてパート・アルバイトを募集いたします。
労働条件・待遇についてはこちらをご確認下さい。
上記求人票をよくご覧の上、応募はハローワーク経由または「HPで求人募集を見た」とお電話またはメールにてお問い合わせ下さい。

自筆証書遺言〜書き方とメリット・デメリット〜

自筆証書遺言は、誰かの手を煩わせることなく、一人で簡便に作成できます。遺言の内容を秘密にしておくこともできます。一方、紛失や改竄、変造、偽造などの危険性も最も高い方式です。
書き方は、遺言の内容の全文、日付、及び氏名を書いて、氏名の下に押印します。全文を自書しなければなりません。ワープロ、パソコン、代筆は一切不可です。したがって、時が書けない人は、公正証書遺言または秘密証書遺言によることになります。

・自書とは
 手が震えるため、肘を支えてもらって自書した場合、過去の裁判例(判例といいます)では微妙は判断になりますので、この場合は、公正証書遺言などによるべきです。

・日付
 日付が書いてあることが絶対の要件です。したがって、「平成18年3月吉日」という記載は無効になります。
 遺言の日付は、その時点で遺言能力の判定や、前後して別の遺言が出てくる場合などもありますので、何年何月何日まできちんと書きます。
 判例では、「還暦の日」「妻の○○回目の誕生日の日」などを有効としたこともありますが、やはり遺言書本文にきちんと日付は書くべきです。遺言書本文に書かなくてはなりませんので、封筒に書いてあっても無効になります。

・署名
 自分の氏名を必ず書きます。しかし、戸籍に記載されているとおりにきちんと書かない と無効、というわけではなく、雅号・芸名・屋号などでも有効という判例はあります。

・押印
 署名はあるが押印が無い場合は無効です。押印に代えて拇印が押してある場合、有効という判例はありますが、きちんと印鑑にて押印すべきです。押印すべき印鑑については規定はありませんが、可能であれば印鑑登録してある実印で押印が望ましいです。なぜなら、遺言についてはは押印が要件となっていますが、そもそも押印とは、後で紛争になった場合の裁判上の証拠としての意味合いが強いからです。100円ショップで売っている認印と、印鑑登録してある実印では、後で争いになった際、大きく結果が変わる可能性があります。

・訂正の仕方
 全文を自書しますので、もちろん誤字はある程度出てきます。誤字の訂正の仕方は、遺言者がその場所を指示し、変更した旨を付記して特に署名し、かつその場所に印を押さなければ訂正の効果が生じません。

<記載例>
本文 →   〜を、住所 ○県○市三丁目2番16号山田太郎に遺贈する。

本文左から3行目上から何字目の2番を4番に訂正。 遺言者 甲野太郎 印
本文左から3行目上から何字目に、○×町を加筆する。 遺言者 甲野太郎 印
などと訂正します。

なお、この訂正の仕方によらずに訂正した場合は、訂正が無かった遺言として有効に成立します。また、明らかな誤記の訂正に訂正の方式違反の場合は遺言の効力に影響は及ぼしません。

・割印
 法律上の定めはありませんが、遺言書の枚数が複数になる場合は、用紙と次の用紙の間に割印を押します。押してない場合は無効、と言うわけではありませんが、改竄や差し替えの防止、または同一の遺言書であることを明らかにするために割印をしておくことが大切です。

・封印
 自筆証書遺言については、封筒に入れなければならないということはありません。また、封緘してなければ無効というわけでもありません。ですが、遺言書の保管の都合もあるので、封筒に入れて、封緘しておくのも一つの方法です。

・自筆証書遺言のデメリット
@方式違反や、内容の不明確さで、遺言が無効になったり、紛争の元になることがある
A偽造、改竄、毀損の可能性が公正証書遺言と比べて高いこと
B検認請求手続が必要であること

・自筆証書遺言のメリット
@費用がかからないこと
A内容を完全に秘密にすることができること
B公正証書遺言と違って、証人が不要であること


・自筆証書遺言の検認手続

封印のしてある遺言書は、相続人が勝手に開封してはいけません。家庭裁判所に検認請求をして、相続人の立会いのもと開封しなければなりません。

申立手続

@申立権者 遺言書の保管者、又は遺言書を発見した相続人
A申立の時期 遺言者の死亡後、遅滞なくする
B管  轄 遺言者の最後の住所地の家庭裁判所
C申立費用 収入印紙800円、切手800円(相続人の数によって変動あり)
D添付書類 申立人、遺言者(死亡から出生まで全てのもの)、相続人全員の戸籍謄本

なお、検認は、
@相続人に対して遺言の存在と内容を知らせること
A遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名などの検認の日の時点における遺言書の内 容を明確にして遺言書の偽装や変造を防ぐための一種の証拠保全
が目的となります。

したがって、遺言の効力そのものについての決定ではないから、後日遺言の効力について裁判で争われることがあります。

また、開封の際立ち会う相続人は、全員でなくても構いません。立ち会う機会を設ければよいとされております。

検認手続の後、裁判所書記官が、検認の際立ち会わなかった申立人、相続人、受遺者、その他全ての利害関係人に対して、遺言書の検認がされた旨を通知しなければなりません。

検認請求をせずに遺言書を開封すると、5万円以下の過料に処せられる他、検認のない遺言書を添付して不動産の登記手続をしても受理されません。

この、検認請求手続の煩雑さが、自筆証書遺言最大のデメリットと言えます。検認請求手続が不要な遺言書は、公正証書遺言のみとなります。