友人にお金を貸したけど返してもらえない場合は?〜金銭消費貸借及び借用証書の基礎知識〜

Q.友人に25万円貸しました。返して欲しい、と伝えたけど返してもらえず、内容証明郵便を送っても効果がありません。どうしたらようのでしょうか?契約書もないのですが、諦めなければならないのですか?


A.お金の貸し借りのことを、法律では金銭消費貸借契約といいます。今回のケースでは、内容証明郵便を送っても効果が無かったので、直接的な法的手段、少額訴訟手続をとることが適切であると思われます。

1.証拠について

少額訴訟手続は、簡易手続とはいえ、れっきとした裁判です。勝つためには証拠が必要です。では、どのようなものが証拠になるのでしょうか?

金銭消費貸借契約における、貸主が証明しなければならない事実は次の通りです。

・お金を相手に渡したこと
金銭消費貸借契約が成立するためには、お金の貸し借りをする合意だけでは足りず、直接相手方にお金を渡した事実を証明する必要があります。

証明する方法としては、借用証書があればいいのですが、無かった場合、相手からの領収書や、銀行振込をした際の振込伝票などが、相手にお金を渡したことの証拠になります。

・返還の約束があること

当たり前ですが、貸した以上、返してもらう、という約束があって、はじめて金銭消費貸借契約になります。つまり、上記のとおり、相手にお金を渡したことを証明できても、お金を返すという約束が無ければ、裁判の際に、相手から「あれは借りたのではなくもらったのだ」という反論を受けたら、再反論出来ないことになります。

この返還の約束を証明する方法は、借用証書があればいいのですが、なかったら、もし相手が「返す」とか、「ちょっと待ってくれ」という発言をした場合、それを証言してくれる証人が必要でしょう。

2.相手からの予想される反論

上記二つを証明できれば、裁判には勝つことができます。しかし、証明できても、相手からの反論が認められると裁判には負けてしまいます。予想される反論をいくつか挙げておきます。

・お金を受け取っていないという反論
この場合、相手にお金を支払ったことを証明することになります。

・お金は受け取ったけど、金銭消費貸借契約ではなく、もらった(贈与)ものだ、という反論
この場合、返還の約束があったことを証明することになります。

・お金は借りたけど、すでに弁済したという反論
この場合、相手方が、支払ったことの証明をすることになります。

・お金は借りたけど、消滅時効が成立しているという反論
この場合、相手方が、消滅時効成立要件を証明することになります。

・お金は借りたけど、詐欺や強迫によるものだという反論
この場合、相手方が、詐欺や強迫の成立要件を証明することになります。

3.今回のようなトラブルをなくすために

今回は、友人からの頼みということで、無碍に断ることが出来ずに、うやむやのままに、貸してしまったことが、トラブルの一つの原因です。お金を貸す側と借りる側では、圧倒できに貸す側が強いのが一般です。

友人とはいえ、「親しき仲にも礼儀あり」です。せめて借用証書の一つも作っておくのが望ましいでしょう。もしくは、ただし書に「借入金として」という記載のある領収証を発行してもらうことが望ましいでしょう。

4.借用証書の基礎知識

借用証書は、金銭消費貸借契約があったことを証明するためのものです。したがって、最低限、
・貸主
・借主
・債権額
・お金を受け取ったという旨
・返還の約束
これだけ記載されていればいいでしょう。

ごく簡単ですが、借用証書の記載例を挙げておきます。


          金銭借用証書

   〇 〇 〇 〇 殿

借用金 金〇〇〇〇円也
 
 上記の金額を本日たしかに借用いたしました。
 後日のため本証書を差入れます。
 
   平成〇〇年〇〇月〇〇日
                     借主 住所
                        〇 〇 〇 〇     印

そのほかの合意事項としては、
・返済期限
・返済方法
・利息
・損害金
・担保
・保証人
などがあります。

5.印紙税

契約書には、印紙税の規定に基づいて収入印紙を貼らなければなりません。25万円の借用証書であれば、400円の収入印紙を貼り、消印をしなければなりません。